勾玉の歴史・起源|神秘の勾玉

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勾玉の歴史

勾玉の歴史は古く、縄文時代までさかのぼると言われ、2000年以上前の縄文時代の遺跡から出土しています。※最近では1万年前の遺跡から勾玉の一部が出土しており、縄文初期には勾玉が存在していたということになります。

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新しいものは、古墳時代(7世紀ごろまでは古墳が作られていました)と呼ばれた大和時代、飛鳥時代のものも当時の遺跡から出土しています。

朝鮮半島からの出土もあり、これは当時、倭国の勢力範囲であったが、倭国の文化の影響であるとされており、これらは倭国からの伝来品だと言われています。

勾玉は、縄文時代初期と弥生時代、古墳時代では形に変化があり、また地方によっても大きく差異があります。

ちなみに漢字での表記は、古事記では勾玉、日本書紀では曲玉と記述されていますが、一般には勾玉の字があてられています。

出雲の勾玉

写真は美保岐岐玉(みほぎたま)を復元したものです。
神話の古から出雲の神職「出雲国造 (いずものくにのみやつこ 出雲大社宮司)」就任の際の儀式において使用される美保岐玉が献上されます。

神話時代の勾玉

神話時代の記述としては、イザナギが天照(アマテラス)大神に高天原(天の国)の統治を任せるときに渡した首飾りの玉が、神である御倉板挙之神(ミクラタナ神)です。

ちなみに、三種の神器の一つの八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)は、日本神話の天の岩戸隠れで、岩戸に隠れた天照大神を呼び戻すために、真榊(マサカキ)に掛けて飾るために作られたもので、のちに天照大神の孫であるニニギノミコトが天孫降臨の際、天照大神が八咫鏡・天叢雲剣(草薙剣)とともに授けています。

勾玉は何の形?

日本最古の御守りとして倭国に存在すると言われる勾玉ですが、古来より勾玉には不思議な力が宿るパワーストーンされてきました。魔除け、厄除けといった力を秘めていると言われますが、その起源や当時の意味合いなどは完全には解明されておらず、次のような説があります。

  • 胎児や魂の形という説
  • 牙玉がルーツという説
  • 三日月説(月神説)陰陽を表すという説

胎児や魂の形を模したという説

頭が大きく足が小さい胎児の形を模したものだという説です。の生命力や始まりを意味する胎児は、若さやエネルギーの象徴で、 胎児の形は魂が宿るとされ神霊の「憑り代(よりしろ)」とされていた。 つまり勾玉には呪術的な意味合いもあり、神霊の力を宿すために胎児の形を模しているというものです。

胎児の形の説と理由は似ていますが、魂の形を模したという説もあります。胎児同様、魂の形を模すことにより、神霊の力を宿すという説です。

牙玉がルーツという説

勾玉の発生は縄文前期、又はそれ以前の時代の獣類の歯牙に穴をあけ装飾品「牙玉」を起源とする説です。動物や魚の骨、歯牙などを「魔除け」として身につけていたものが

時代とともに、実物の歯牙ではなく、玉石でつくられるように変化していったというものです。

縄文前期には勾玉以外にも様々な宝飾品が発展しましたが、勾玉は丸玉などの他の装飾品と異なり、特別な意味があったと解されます。

その他、釣り針の形、魚の形であるという説も存在します。

三日月説(月神説)、陰陽を表すという説

月は満ち欠けから生命を再生を象徴しているとされ、月を神様とし、月の形を模すことにより生命再生の力をがあるとされるという説です。

似たような説としては、陰陽の象徴である太陽と月を表すというもので、生と死の象徴しているというものです。※道教の対極図(陰陽魚太極図)のような概念ですが、道教は5世紀に成立していることから、勾玉は、もっと古い時代からの概念と言えるでしょう。

また、勾玉は頭の部分が太陽 尾の部分が月を表していると言われることもあり、太陽と宇宙が重なり合う事で森羅万象の宇宙を表現しているとする考えもあります。

様々な形の勾玉

出土した勾玉の代表的な形です。獣形など年代が古くなるほど複雑な形となり、古墳時代の比較的新しいものはコの字型、C型のような洗練された形になります。※ここにない形の勾玉もたくさん存在します。

アクセサリーとして販売されている現代に作られた勾玉は、このような形のものが多いですね。

勾玉の素材

翡翠(ヒスイ)や瑪瑙(メノウ)の勾玉が有名ですが、水晶、紫水晶、黒曜石、水晶、滑石、琥珀、鼈甲、その他青銅などの金属で作られたものもあります。

出土される勾玉は、翡翠が多く、現代でも人気があります。瑪瑙(メノウ、アゲート)や※碧玉(ジャスパー)のものは高級品とされています。

※有名な出雲石(八尺瓊勾玉は出雲石で作られているという説があります。)は碧玉(ジャスパー)ですが、

瑪瑙(メノウ)
紫水晶(アメジスト)

現代では、様々な石が海外から輸入されているため、ラピスラズリやトルコ石、インド翡翠、アマゾナイト、オパール等様々な石で作られています。

ラピスラズリ
アラゴナイト
ターコイズ

勾玉の形に削り出すのは難しく、特にC型やコの字型もので大型の石は多くの工程が人の手によるものです。

勾玉のパワーストーン効果

勾玉自体のパワーストーン効果は、魔除けや生命再生の象徴など、石の持つパワーストーン効果も相乗的に影響すると言われています。

詳しくは、メノウ、アメジストなど、個別のページを参照ください。

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